アフリカで特に有名な民族10選

アフリカは「多民族の大陸」と呼ばれるほど、実に3000以上の民族が存在していると言われています。

 

それぞれの民族が独自の言語、文化、暮らし方を持ち、ときには国境をまたいで広がっているのもアフリカらしい特徴。

 

ここではその中でも、とくに知名度が高い・文化的に重要・人口が多いといった理由から、注目されているアフリカの有名民族10選をご紹介します!

 

 

1. ズールー族(南アフリカ)

南アフリカ最大の民族。 19世紀にはシャカ・ズールーという英雄的指導者が強力な王国を築き、英軍とも戦いました。 今でも伝統的な衣装や踊りが観光資源として有名で、ズールー語は公用語のひとつにもなっています。

 

2. マサイ族(ケニア・タンザニア)

長身で赤い衣装、ジャンプする踊りが印象的なマサイ族は、アフリカ観光の顔ともいえる存在。 牧畜を中心に暮らし、今も伝統的な半遊牧生活を守る人が多いです。 ライオン狩りの勇者伝説や、ビーズ細工などの文化でも知られています。

 

3. ハウサ族(ナイジェリア・ニジェール周辺)

西アフリカで最も人口の多い民族のひとつ。 主にイスラム教を信仰し、都市化も進んでおり、政治・経済に強い影響力を持っています。 ハウサ語は数千万人が話す共通語として、西アフリカ全体で広く使われています。

 

 

4. ヨルバ族(ナイジェリア南西部)

芸術と都市文化に長けた民族。 歴史的にはイフェやオヨといった古代王国を築き、独自の宗教や神話体系(オリシャ信仰)を持っています。 ブラジルやキューバなどのアフリカ系文化にも深く影響を与えた民族です。

 

5. イボ族(ナイジェリア東部)

商才にたけた民族として有名。 英国植民地時代から教育水準が高く、経済活動に活発に関わってきました。 1960年代にはビアフラ戦争(イボ独立運動)が起きた歴史もあり、今も政治的なアイデンティティを強く持っています。

 

6. ベルベル人(北アフリカ:モロッコ、アルジェリアなど)

アラブ化される以前から北アフリカに住んでいた先住民族。 現在も山岳地帯や砂漠周辺に多く暮らしており、独自の言語(タマジグト)や伝統衣装を守っています。 チュニジアやリビアでも存在感が強く、文化復興運動も盛んです。

 

7. ツワナ族(ボツワナ)

ボツワナ最大の民族で、同国の政治・経済の中心を担っています。 ツワナ語は南アフリカやナミビアにも広がっていて、農耕と牧畜を融合させた生活文化が特徴です。

 

8. アムハラ族(エチオピア)

エチオピアの歴史を語るうえで欠かせない民族。
かつてのアビシニア帝国の中心であり、アムハラ語は今も公用語。 エチオピア正教の信仰、王政の伝統、独特の暦や文字など、独自文明を持つ稀有な民族です。

 

9. トゥアレグ族(サハラ砂漠一帯)

「青の民」とも呼ばれる、サハラ砂漠の遊牧民。 顔を覆うインディゴブルーのターバンが有名です。 現在はマリ、ニジェール、アルジェリアなどにまたがって住んでおり、独立運動や文化アイデンティティの強さでも知られています。

 

10. バンバラ族(マリ共和国)

マリ最大の民族で、言語はバンバラ語。西アフリカの共通語的な役割もあります。 農業や伝統音楽が盛んで、ジェンベ(太鼓)文化でも有名。 「音楽と語りの民族」ともいわれ、グリオ(語り部)文化が今も息づいています。

 

アフリカには、見た目や言葉、暮らし方、歴史背景がまったく違う民族がこんなにもたくさん共存しているんですね。それぞれが大切にしている価値観や文化は、アフリカの“豊かさ”そのもの。ひとつの大陸に、無数の世界がある――そんな多層的な面白さが、アフリカの魅力なんです。