
「アフリカの農業」と聞くと、どこか素朴なイメージがあるかもしれませんが――実は、世界的にもかなりの量を生産している作物があるんです。
とくに近年では、気候や土壌の強みを活かして特定の農作物が世界市場でも重要なポジションを占めるようになってきています。
この記事では、そんなアフリカで生産量が多い農作物トップ5をご紹介。食卓の定番から、あまり知られていない意外な作物まで、まとめて見ていきましょう!
トウモロコシは、アフリカ全土で圧倒的に生産されている作物。 特に南部アフリカ(南アフリカ、ザンビア、ジンバブエなど)では主食としての存在感が超・絶大。
粒のままではなく、粉にしてパップ(南部)やウガリ(東部)と呼ばれる練り物として食べられるのが一般的です。
アフリカでの年間生産量は約9,000万トン以上にもなり、農業収穫の柱になっています。
ただし、気候変動による干ばつや害虫(例:アーミーワーム)などの影響を受けやすい作物でもあります。
キャッサバ(タピオカの原料)は、特に西アフリカを中心に広く栽培されている作物で、ナイジェリア、ガーナ、コンゴ民主共和国などで大量に生産されています。
その特徴は――
実際、アフリカでの年間生産量は約1億4,000万トン超!
乾燥させて粉にしたり、発酵させてフフやガリといった料理に加工されたりと、食べ方も多彩なんです。
サトウキビは、主に熱帯地域(モザンビーク、南アフリカ、スーダンなど)で広く生産されている作物。
主に製糖用ですが、ジュースやラム酒の原料にもなっていて、地域によっては地元産業を支えるキー作物でもあります。
アフリカの生産量は約1億トン前後にのぼり、その一部はアジアや中東への輸出にも回されています。
ただし水をたくさん使う作物なので、水資源の管理が重要になってきています。
ヤムイモは西アフリカの食文化に欠かせない主食のひとつ。ナイジェリア、ガーナ、コートジボワールなどで主に栽培されています。
日本の山芋や長芋に近い見た目ですが、もっと大きくて、粉質でホクホク系。蒸したり、すりつぶしてフフという団子状の主食にしたりと、調理方法はさまざま。
アフリカでは全体で約7,000万トン近く生産されていて、ナイジェリア一国で世界の6割以上を占めることも。まさに“ヤム王国”ですね。
「バナナ=甘いフルーツ」と思ってる方、多いと思いますが――アフリカではプランテンと呼ばれる調理用バナナも主食のひとつなんです。
特にウガンダやルワンダなどの東アフリカでは、蒸して、つぶして、肉や豆と一緒に食べるのが定番。
全体での生産量は約3,000万トン前後とされていて、バナナの種類や食べ方の多様性では、アフリカは世界でもトップクラスかもしれません。
アフリカの農作物って、ただの“食料”以上に、人々の暮らしや文化、そして気候への適応がぎゅっと詰まっているんです。地元で育ち、工夫され、食べられてきたものたち――そこにこそ、アフリカの知恵とたくましさがあるんですね。