アフリカの平均寿命が短い理由|下がる要因は大きく3つ

アフリカのニュースや統計を見ると、よく「平均寿命が短い」と言われますよね。たとえば日本の平均寿命が80歳を超える一方で、アフリカの多くの国ではまだ60歳以下。中には50代前半の国もあるほどです。

 

「なぜこんなに差があるの?」と思った方、ここではその疑問にお答えします!

 

アフリカの平均寿命を下げている主な要因を、大きく3つに分けて解説していきます。

 

 

1.医療の格差|“治せる病気”で命を落とす

 

一番大きな要因はやっぱり医療体制の問題です。

 

アフリカでは――

 

  • 医師や看護師の数が圧倒的に不足
  • 医療設備・薬品の供給が不安定
  • 病院へのアクセスが悪い(遠すぎる、費用が高いなど)

 

こういった理由から、本来は助かるはずの病気やケガでも命を落とすケースが多いんです。

 

たとえば――

 

  • 下痢や肺炎 → 日本ではほとんど死なない病気でも、アフリカでは乳幼児死亡の主な原因
  • マラリア → 毎年何十万人もが命を落としていて、その多くが5歳未満の子ども
  • 出産 → 妊産婦死亡率が非常に高い地域もあり、「病院に行けない」こと自体が命取りになることも

 

つまり、“病気に強いか”というより、“治療の機会があるかどうか”が大きく寿命を左右しているんです。

 

2.栄養と衛生の問題|そもそも“健康に育ちにくい”

 

もうひとつの大きな要因は、栄養不良と衛生環境です。

 

特に――

 

  • 慢性的な飢餓・栄養不足に苦しむ子どもが多い
  • 水が汚れていることで感染症が広まりやすい
  • トイレやゴミ処理などの衛生設備が未整備な地域が多い

 

その結果、免疫力が弱まって病気にかかりやすくなるだけでなく、病気にかかったときの回復力も落ちるんですね。

 

しかも、子どもの頃の栄養状態が悪いと、大人になってからの健康リスクも高まることが知られています。つまり、“健康に年をとる土台”がそもそも整いにくいということなんです。

 

 

3.紛争と社会不安|“安全に生きる”ことが難しい

 

最後の要因は、武力紛争や政治的な不安定さ

 

アフリカの一部地域では、今なお――

 

  • 内戦や民族紛争で民間人の犠牲が絶えない
  • 難民・避難民として生活が崩壊する人が多い
  • 武装勢力のせいで病院や学校が破壊されたり、インフラが整わなかったりする

 

こうした状況下では、当然ながら安定した医療も教育も受けにくいですし、ストレスや暴力による健康被害も無視できません。

 

また、エボラやコロナなどの感染症が流行したときにも、医療や支援が届きにくい地域が多く、その分致死率が高くなる傾向にあります。

 

アフリカの平均寿命が短いのは、単に「病気が多いから」ではなく、医療の届かなさ、栄養と衛生の弱さ、そして社会全体の不安定さといった要因が重なっているからなんです。でも、その一方で、ワクチン普及やインフラ整備によって着実に改善しつつある国も増えていて、少しずつ未来が変わり始めています。