
アフリカ大陸は、赤道をまたいで南北に広がるという地理的な特徴から、さまざまな気候帯がはっきりと分布しているのが大きな魅力です。
しかも、どの気候帯も極端な個性を持っていて、そこに暮らす人々の生活様式や文化、経済活動まで大きく左右しています。
ここでは、アフリカに見られる代表的な5つの気候区分について、その位置と特徴をわかりやすく整理していきましょう。
この気候帯は赤道直下に広がっていて、具体的にはコンゴ盆地(コンゴ民主共和国やガボンなど)を中心に見られます。
気温は一年中高く、平均25〜27度前後。しかも降水量は年間2,000mm以上にもなる超・多雨地域です。
この環境ではジャングル(熱帯雨林)がびっしり広がっていて、動植物の種類もめちゃくちゃ豊富。人間の生活は雨との戦いでもありますが、漁業・林業・焼畑農業など自然と共存する暮らしが今も根強く残っています。
熱帯雨林気候のすぐ外側、赤道から少し離れた北緯・南緯10〜20度のあたりに分布。西アフリカのナイジェリアやセネガル、東アフリカのタンザニアやケニアなどが代表的です。
平均気温は20〜30度。
ここでは年に1回、数ヶ月間だけ雨が降る「雨季」があり、それ以外はカラカラの「乾季」が続くというメリハリ型の気候。典型的な風景といえば、草原にアカシアの木、ゾウやライオンがのんびり歩いてるあの「サバンナ」ですね。
農業は主に焼畑や牧畜、最近は観光資源(サファリツアー)としても注目されています。
アフリカ北部に広がるサハラ砂漠は、世界最大の砂漠で、実に大陸の1/3近くを占める広大な地域にまたがっています。エジプト、リビア、アルジェリア、ニジェールなどが含まれ、年間降水量はたったの100mm以下。日中は灼熱、夜は一気に冷えるのが特徴。
平均気温は年間平均で30度以上。
南部にもカラハリ砂漠やナミブ砂漠といった乾燥地帯があり、こちらも同じく過酷な環境。人間の生活は厳しく、オアシス農業や遊牧が主な生業になります。
サハラ砂漠の南縁にあるサヘル地域(マリ、チャド、スーダンなど)は、砂漠とサバンナの中間にあたるステップ気候です。ここは乾季が長く、雨季が短い、つまり「雨が降るけど全然足りない」地域。
平均気温は20〜30度。
気候が不安定で、雨が来ない年が続くと干ばつが起きることも多く、農業や生活に大きな打撃を与えています。気候変動による砂漠化の進行も深刻で、地理的に“危うい”位置にあるのが特徴です。
アフリカ大陸の一番北――モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどの地中海沿岸部は、夏は暑くて乾燥、冬は温暖で雨が多い地中海性気候です。
夏季の平均気温が22度以上。
この地域は、気候的には南ヨーロッパに似ていて、オリーブやブドウ、柑橘類の栽培に向いています。気候が安定していることもあって、都市も多く、アフリカの中では比較的“ヨーロッパに近い”生活様式が見られるエリアです。
アフリカはただ「暑い」「乾燥してる」だけじゃなくて、実はびっくりするほど多様な気候がギュッと詰まってる大陸なんです。気候を知ると、その土地の文化や人々の暮らしまで、自然と理解が深まってくる。地理って奥が深いですよね。