アフリカの水不足は何が原因なの?

アフリカの水問題――テレビやニュースでよく「水くみのために何時間も歩く子どもたち」の映像を見かけたことがあるかもしれません。でも、「なんでアフリカってそんなに水が足りないの?」と、疑問に思ったことありませんか?

 

実はアフリカの水不足には、自然環境の問題だけじゃなく、政治・経済・社会の仕組みも深く関係しているんです。

 

ここでは、アフリカで水が足りない理由を大きく5つの視点から、わかりやすく解説していきます!

 

 

1. そもそも降水量が少ない地域が多い

まず単純に、アフリカには雨が少ない地域がとても多いんです。

 

とくに――

 

  • サハラ砂漠ホーン・オブ・アフリカなどは、ほとんど雨が降らない超乾燥地域
  • サヘル地域では、年に数か月しか雨季がなく、それ以外はカラカラ
  • 気候変動の影響で、昔より雨の量やタイミングが不安定になってきている

 

こうした気象条件が、水不足の“土台”になっているわけですね。

 

2. 水道インフラが整っていない

アフリカでは、水源があってもそれを家まで届ける仕組みがないことが多いんです。

 

たとえば――

 

  • 水道管が通ってない村がたくさんある
  • 井戸を掘るにも専門の技術や機材が不足
  • ポンプや浄水装置があってもメンテナンスできない

 

その結果、水を汲むには何キロも歩いて川や共同の井戸まで行くしかない、という暮らしが今も続いている地域が多いんです。

 

3. 急速な人口増加が水需要を上回っている

アフリカは今、世界でもっとも人口が急増している大陸です。 たとえばナイジェリアやエチオピアでは、都市部の人口が爆発的に増加していて、 水の需要がインフラ整備のスピードをはるかに上回っているんです。

 

結果として――

 

  • 水道の取り合いが起きたり
  • 水の価格が高騰したり
  • 不衛生な水源を使わざるを得なくなる人が増えたり

 

つまり、水はあるのに行き渡らないというアンバランスな状況が生まれてしまうんですね。

 

 

4. 汚染と不衛生による“使えない水”の増加

川や湖が近くにあっても、それが安心して飲める水かどうかは別の話。

 

アフリカでは――

 

  • 工業排水や生活排水によって川が汚染される
  • トイレや下水道が整っていないために水源が汚れる
  • 水を飲んだことが原因で下痢や寄生虫にかかることも多い

 

つまり、水が“ある”ように見えても、それが“使える水”とは限らないというのが実情です。

 

5. 国境をまたぐ“水争い”の構造も

アフリカの大きな川――たとえばナイル川・ニジェール川・コンゴ川などは、複数の国にまたがって流れています

 

このため、「上流の国がダムを作ったら、下流の国に水が来ない!」といった国同士の水をめぐる摩擦がしばしば起きます。

 

とくに有名なのが、エチオピアが建設したグランド・ルネサンス・ダムをめぐる、スーダン・エジプトとの対立
水をどう分けるか、というテーマが政治問題や外交摩擦になっているケースも多いんです。

 

アフリカの水不足は、ただ「雨が降らないから」ではありません。インフラの未整備、人口の増加、政治的な緊張、そして使える水が少ないという複雑な要因が絡み合っているんです。でもその分、水を届ける仕組みや知識の共有、資源の公正な分配など、改善の余地もたくさんある。水は命の基本――だからこそ、みんなで知って、関心を持っていくことが大切なんですね。