
アフリカの教育問題――それは、単に「学校に行けない子が多い」という話ではありません。今、アフリカ各地では学校はあっても学べない、通えても卒業できない、学んでも活かせないという深刻な課題が山積しています。
でもその一方で、現地の人々や国際社会、企業やNGOが力を合わせて、少しずつ希望の灯もともしています。
ここでは、アフリカの教育問題の原因とそれに対する現状の取り組みを、わかりやすく紹介していきます!
サハラ以南のアフリカでは、今も約5人に1人の子どもが学校に通っていないといわれています。
とくに農村部では――
さらに女の子の場合は、「生理用品がないから通えない」「家事や結婚で早くに退学」というケースも多く、 性別による教育格差も根強く残っています。
学校に通える子どもでも、実は十分な学びが得られていないという問題も深刻です。
たとえば――
その結果、小学校を卒業しても読み書きや簡単な計算すらできない子がたくさんいるという報告もあります。
これでは「教育は受けたけど、生かせない」状態になってしまうんですね。
アフリカでは、家庭で使う言語と学校で教える言語がまったく違うことがよくあります。
たとえば――
この言語のズレが、学びのハードルをぐっと上げてしまうんです。
さらに、学校で教えられている内容が実生活と結びついていないという課題も。「農業や起業、地域で生きる力」を育てる教育よりも、都市のホワイトカラー向けのカリキュラムが多く、結果として卒業しても仕事に直結しないというケースも多いのです。
一部の国や地域では、学校そのものが攻撃の対象になってしまうこともあります。
たとえば――
こうした環境では、子どもや親が命の危険を感じて通学をためらうのも当然です。
多くの国で初等教育の授業料無料化が進んでいます。さらに給食を提供することで“通学するインセンティブ”も生まれています。
生理用品の提供、早すぎる結婚の防止、女子専用のトイレ整備など、 ジェンダー格差をなくす教育支援が増えています。
電気も教科書も不足している地域で、スマートフォンやタブレットを使った授業が注目されています。特にアフリカ発のEdTech(教育×IT)企業も登場していて、「通信教育で教育格差を埋める」動きが始まっています。
「もう大人だから無理…」ではなく、大人にも学び直しの機会を提供する取り組みも増えています。読み書きの基本に加え、裁縫・農業・商売の仕方など、“生活につながる学び”が重視されています。
アフリカの教育問題は、「学校が足りない」という単純な話ではなく、質・アクセス・文化・安全・未来の仕事とのつながり――すべてが複雑に絡み合った課題なんです。
でも、そのぶん希望もたくさんあります。学びたい子がいて、それを支えようとする人たちがいて、少しずつだけど前に進んでいる。教育とは、明日をつくる力そのもの。だからこそ、世界中で支える意味があるんですね。