
「サバンナ」と聞くと、多くの人がアフリカのイメージを思い浮かべると思いますよね。広がる草原にアカシアの木、ライオンやゾウが歩いてるあの風景――実際、アフリカ大陸には“サバンナ”と呼ばれる地域が広範囲に存在していて、それぞれに違った自然や文化が根付いています。
では具体的に、サバンナってアフリカのどこにあるのか?どんな特徴があって、なぜその場所に広がっているのか?ここでは、アフリカにおけるサバンナの分布と特徴をわかりやすく解説します!
まず基本として、サバンナは気候的に「雨季と乾季がある熱帯地域」に分布します。年中雨が降るわけではなく、雨が降る時期と降らない時期がはっきり分かれているというのがポイント。
そのため、サバンナは赤道直下の熱帯雨林(コンゴ盆地など)と、その外側の乾燥地帯(サヘル・サハラなど)との中間地帯に広がっていて、気候的には「ほどよく雨が降るけど乾季もある」草原地形が生まれるんです。
ではサバンナの基礎についてわかってもらったところで、アフリカ「北・西・東・南」の4つの地域のサバンナをみてみましょう!
アフリカでもっとも有名なサバンナ地帯といえばケニアやタンザニア。このあたりにはセレンゲティ国立公園、マサイマラ保護区など、世界的にも有名な野生動物の楽園があります。
ここでは年に一度、ヌーやシマウマの大移動が起こり、それを追ってライオンやワニなども動くという壮大な生態のサイクルが繰り広げられます。雨季には草が生い茂り、乾季になると水場に動物が集中――まさにサバンナの典型的な姿ですね。
西アフリカでは、ギニア湾沿いの湿潤な森林地帯から少し北に上がると、そこに広大なサバンナ地帯が広がっています。ここでは主に農業や放牧が営まれており、バオバブの木や低木が点在する、やや乾燥気味のサバンナが見られます。
この地域のサバンナでは、動物よりも人の生活との結びつきが強く、トウモロコシやモロコシの栽培、伝統的な村落などがサバンナの風景の一部になっています。
有名どころはセネガルのニオーコロ=コバ国立公園。世界遺産で、ヒョウ、バッファロー、チンパンジーなどが生息しています。
この地域は「ミオンボ林(Miombo woodland)」と呼ばれる独特のサバンナ林が広がっていて、草原だけでなく落葉樹の森と草原が入り混じったような風景が特徴です。
野生動物も多く、国立公園も多数。バッファロー、インパラ、ヒョウなどが見られ、観光や自然保護の面でも注目されています。また、農業と自然の共存が課題になっていて、近年は環境保全と住民の暮らしの両立を目指す取り組みも始まっています。
北ではサハラ砂漠の南縁に広がる「サヘル」地域が“乾燥サバンナ”に近い環境となっており、干ばつや土地劣化の影響を強く受けやすい地域です。
この地域の「アイ―ルとテネレの自然保護区群」は、サハラ砂漠の南端に位置するけど、サバンナと砂漠の中間のような環境。オリックス、ダチョウ、ガゼルなどが見られます。
南ではカラハリ砂漠の北縁(ボツワナやナミビア)にサバンナが続いており、乾燥と草原の境界線のような役割を果たしています。これら“境界のサバンナ”は、気候変動の影響を最前線で受けることが多く、砂漠化や生態系の変化が進行中です。
有名どころは「クルーガー国立公園」ですね。南部アフリカ最大のサバンナで、ビッグファイブ全種(ゾウ、ライオン、ヒョウ、サイ、バッファロー)が生息しています。
サバンナは「どこにあるの?」って聞かれると一言では答えにくいんですが、実はアフリカの真ん中を“帯のように横断するように”広がっていて、それぞれの場所で自然も文化もぜんぜん違う顔を持っています。動物が主役の東、農村と共にある西、森とのグラデーションが美しい南――サバンナの多様性そのものが、アフリカの懐の深さなんですね。