「アフリカ」の語源とは?名前の由来を理解しよう

アフリカ」って、あまりにも当たり前に使っているけど、「この名前、そもそもどこから来たの?」って考えたことありますか?

 

実はこの“アフリカ”という名前、いろんな説があって、しかもけっこうヨーロッパ視点でつけられた名前なんです。ここでは、その由来をわかりやすく紹介していきます。

 

 

最も有力なのは“ローマ人説”

ローマ帝国の属州「アフリカ属州(Africa Provincia)」(125年)の位置を示す地図

出典:Photo by Milenioscuro / CC BY-SA 4.0より

 

「アフリカ」という言葉の語源で、もっとも有力とされているのが古代ローマ時代の呼び方に由来する説です。ローマ帝国が今のチュニジア周辺を支配したとき、そこを「アフリカ属州(Africa Provincia)」と呼んでいたんです。

 

で、この“アフリカ”という言葉は、現地に住んでいた「アフリ族(Afri)」という人々の名前に由来しているとされています。つまり、「アフリ族の土地=アフリカ」っていう流れですね。

 

この属州はもともとフェニキア人の植民都市カルタゴを中心とする地域で、ローマがカルタゴを滅ぼした後に支配下に置いた場所なんです。つまり、「アフリカ」はもともと北アフリカの一部だけを指す言葉だったというわけ。

 

アラビア語起源説もあるけど…

他にも、「アフリカ」という言葉がアラビア語の「アファラク(afarqa)」=“分かれる”から来ているという説もあります。これは、地中海をはさんで“ヨーロッパとは分かれた土地”って意味で名付けられた、という考え方。

 

でもこの説はちょっと根拠が弱くて、学術的にはローマ起源のほうが支持されてます。

 

現地の人は「アフリカ」って呼んでなかった

これもけっこう重要なポイントなんですが、「アフリカ」という呼び名は外部から見た名前であって、アフリカの人たちが昔から自分たちをそう呼んでいたわけじゃないんです。

 

アフリカ大陸には、古代から数えきれないほどの民族や王国があって、それぞれが自分たちの地域や文化に固有の名前を持っていたんですね。つまり「アフリカ」という一括りの呼び名は、後から外側からまとめて付けられた“ざっくり便宜上の名前”だったわけです。

 

「アフリカ=一つの文化」という思い込みは注意

こうして由来を知ってみると、「アフリカ」という言葉そのものがいろんな文化や人々を一括りにしてしまってるって気づきます。実際には54か国以上あって、言語も宗教もバラバラ。歴史もまったく違うし、「アフリカ人」と一括りにするのはちょっと乱暴かも。

 

「アフリカ」という名前の由来をたどってみると、それがどれだけ“外からの視点”でできた言葉なのかがよくわかります。名前ひとつにしても、歴史や文化がギュッと詰まってるんですね。これをきっかけに、「アフリカ」って言葉を使うときに、もうちょっと想像力を働かせてみるのもいいかもしれません。