
「電車は時間どおり」「タクシーはメーター制」「道路はピカピカで信号が整備されてる」――そんな日本の交通に慣れていると、アフリカの交通事情はいろんな意味でカルチャーショックかもしれません。
でもそこには、「えっ!? そんなのアリ?」というびっくり体験から、「なるほど、それならではの知恵だな〜」と思える工夫まで、ユニークで面白い日常があふれてるんです。
ここでは、そんなアフリカの交通事情の面白さにフォーカスして、バス、タクシー、道路事情などを覗いてみましょう!
アフリカで一般的な交通手段のひとつが、乗り合いミニバス。
国によって呼び方はさまざまで――
など、いかにも“その土地の言葉”って感じで親しまれています。
でもこのバス、出発時刻が決まっていません。運転手さんは「満員になったら出発」で、乗客が集まるまでひたすら待機。5分で出ることもあれば、30分以上じっと座ったままのことも…。
しかも、途中でも乗客が自由に乗り降りしていくので、バス停も看板もナシ!道路わきで手を上げて「乗るよ!」って合図すればOK。これはまさに人との信頼で成り立つ交通です。
マタトゥなどのミニバスには、ド派手なペイントやカスタムスピーカーが搭載されていて、乗った瞬間からまるで動くクラブ状態!
ヒップホップ、レゲエ、アフロビートが大音量で流れていて、運転手や車掌さんがノリノリで踊ってることも(笑)
日本だったら「もうちょっと静かに…」って思うかもしれませんが、これはお客さんを楽しませるサービスの一環なんです。
「このバス、音がいいから乗る!」って選ぶ人もいるくらいで、交通手段というよりエンタメ空間なんですね。
アフリカの多くの国では、タクシーは基本“交渉制”です。
たとえばケニアやウガンダでは、乗る前に「◯◯までいくら?」と聞いて、ドライバーとガチで値段交渉。うまくやれば半額に下がることもあるし、逆に観光客だと吹っかけられることも…。
最近ではUberやBoltといったアプリベースのタクシーも増えてきていて、“交渉いらず”の安心感を求める人に人気ですが、まだまだ現地の交渉タクシー文化も健在です。
都市部では信号もありますが、実際に機能してるかどうかは別問題。壊れて赤信号が点きっぱなしだったり、歩行者信号が設置されてなかったりして、道路を渡るタイミングは“自分の勘と度胸”ということも…。
「今なら行ける!」って空気を読んで一気に横断。車も歩行者も、お互いに譲り合いと自己判断で動いてる感じが、日本のきっちりした交通ルールとはまったく違っていて、見ていてちょっとスリリングです。
こうして見ると、「不便そう」「危ないんじゃ?」と思うかもしれませんが、現地の人たちにとってはこれがごく当たり前のリズム。
むしろ――
など、生活に根ざした効率性があるとも言えるんです。
しかも、人との距離が近い分、「今どこ行くの?」「お隣さんじゃん!」みたいな会話と出会いも多くて、移動がコミュニケーションの場になっていることも魅力です。
アフリカの交通事情は、日本とはまるで違うけど、だからこそ面白いんです。不便さの中に知恵があり、自由さの中に人とのつながりがある。移動手段そのものが、アフリカの日常を映す“走る社会”なんですね。