
アフリカ大陸には、迫力満点の巨大滝から、神秘的な聖域とされる滝まで、バリエーション豊かな名瀑が点在しています。しかもそれぞれが、地理的な奇跡だけでなく、歴史や神話、現地の人々の信仰や生活と深く結びついているんです。
この記事では、アフリカにある代表的な滝を一覧形式で紹介しつつ、それぞれの地理的位置・落差や規模・有名度・歴史的な逸話などを丁寧にまとめていきます。
ヴィクトリアの滝
アフリカで最も有名な滝といえば、間違いなくこのヴィクトリアの滝。1855年にイギリス人探検家デイヴィッド・リヴィングストンによって“発見”され、イギリス女王の名前を冠して命名されました。
でも現地の呼び名はもっとかっこよくて、「モシ・オア・トゥニャ=雷鳴の水煙」。水しぶきが数km先からも見えるほどの大迫力で、乾季と雨季でその姿を大きく変えるのも特徴です。近年では世界遺産にも登録され、観光・自然保護の両面で注目されています。
ヴィクトリアの滝が“横の広がり”なら、こちらトゥゲラ滝は“高さ”で勝負。落差948mはアフリカ最大、世界でもベネズエラのエンジェルフォールに次ぐ第2位とされています。
ただし、年間を通じて水量はあまり多くなく、雨季以外はほぼ糸のような細流になることも。それでもその高さとドラマチックな地形の組み合わせはまさに“空から水が降ってくる”ような光景。ハイキングの聖地としても人気で、トレッキングルートからの絶景は一見の価値ありです。
コンゴ川のマレボ湖(プール・マレボ)からマタディまでの間に広がり、コンゴ民主共和国とコンゴ共和国の国境付近に位置します。コンゴ川が世界で2番目に流量の多い川ということもあり、膨大な水量を利用した大規模な水力発電プロジェクトが進行中です。
ボヨマ滝は、ひとつの大きな滝というよりは、コンゴ川上流にある7つの小さな滝の集合体で、全体で約100kmにわたる長大な激流地帯。19世紀に探検家スタンリーが通過しようとして苦戦したことから、「スタンリーフォールズ」という名前でも知られます。
ここは単なる水の落差ではなく、急流による水力のすさまじさが特徴で、川を使った交通や物流を遮る“自然の関所”のような存在になっています。現地では川の神が住む場所としても信仰されている神秘的スポットです。
「マリのナイアガラ」とも呼ばれ、西アフリカでは珍しい横に広がる大瀑布。近くに集落があり、観光客にも徐々に知られるようになってきています。
アフリカの滝って、「きれい」「すごい」だけじゃなくて、その背景には必ず人々の暮らしや歴史、信仰があるのが面白いところ。滝はただ水が落ちるだけの場所じゃなくて、“大地と人をつなぐドラマの舞台”なんだな〜と感じさせてくれます。