
アフリカ大陸
「アフリカ」って聞くと、どんなイメージが浮かびますか?広大なサバンナ?キリンやゾウ?それともカラフルな民族衣装やドラムのリズム?実はアフリカって、ものすごく多様で奥深い場所なんです。ここではそんなアフリカの姿を、「歴史・社会・文化・地理」の視点からざっくり覗いてみましょう。
南アフリカで発見されたアウストラロピテクス・アフリカヌスの頭蓋骨化石「Mrs. Ples」(約210万年前)
出典:Photo by Jose Braga & Didier Descouens / CC BY-SA 4.0より
アフリカは人類のふるさと。最古の人類化石「アウストラロピテクス」や「ホモ・ハビリス」が発見されたのもこの大陸です。特に南アフリカの人類化石遺跡群や東アフリカのケニアやエチオピア周辺は“人類のゆりかご”と呼ばれるほど。言い換えれば、ここからすべてが始まったってことなんです。
古代アフリカといえばエジプト文明が超有名ですが、それだけじゃないんです。エチオピアのアクスム王国や、ヌビアにあったクシュ王国など、独自の文字や建築を持つ文明も栄えていました。金や象牙を交易に使いながら、他の大陸ともちゃんとつながってたんですよ。
西アフリカではマリ帝国やソンガイ帝国などが登場し、金と塩のサハラ交易で大いに繁栄しました。中でもマンサ・ムーサの巡礼は有名で、持っていた金の量が多すぎて旅先の物価が崩壊したほど。北アフリカからイスラム文化が広まり、学問や建築も大きく発展しました。
15世紀以降、ヨーロッパの船がアフリカ沿岸に現れるようになり、奴隷貿易が始まります。西アフリカから多くの人々がアメリカ大陸へ強制的に送られ、「三角貿易」と呼ばれるしくみの中で大陸は人材を失っていきました。この時代の傷跡は、今も社会の中に残っています。
19世紀末、ヨーロッパ列強はベルリン会議でアフリカの領土を勝手に分け合い、植民地支配が一気に広がりました。国境は民族や言語を無視して引かれたため、その歪みが今の政治や紛争にまで影響しています。学校、宗教、言語もこの時代に大きく変わりました。
20世紀中ごろ、多くの国が独立運動を経て主権を取り戻しました。ただし独立後の道のりは平坦ではなく、内戦・クーデター・経済格差などの課題に直面しています。でも一方で、アフリカの若者たちはIT、芸術、環境保護など新しい分野でどんどん活躍中。今まさに“次の時代”をつくる動きが広がっています。
19世紀末の百科事典『Meyers Konversations-Lexikon』に掲載された「アフリカの民族」図版。ガボンのムポングウェ、モロッコのアラブ人、ズールー、ニアムニアム、ホッテントット、ソマリなど、29のアフリカ諸民族の肖像を描いた銅版画
出典:Public domain via Wikimedia Commonsより
「アフリカの社会」と聞くと、ちょっとイメージが湧きにくいかもしれませんよね。でも実は、とても多様で奥深いんです。政治の仕組みも、使われている言語も、信じている宗教も、地域によってぜんぜん違います。
アフリカには54の国があって、それぞれに政治体制もバラバラです。大統領制が多いんですが、一部には君主制を残している国(例:モロッコ)もあります。ただし民主主義がうまく機能していない国も少なくなくて、軍事クーデターや長期独裁政権が問題になることもあるんです。最近は市民の声や若者の運動が高まりつつあって、「変えたい」っていうエネルギーもすごく感じられるようになってきました。
アフリカ経済の特徴は、とにかく「資源が豊富」なこと。石油、ダイヤモンド、金、コバルトなど、世界が欲しがるものがたくさんあります。でも、その利益がちゃんと地元に届かない構造が根深く残っていて、そこが大きな課題です。一方で近年はIT分野やスタートアップも成長していて、ナイジェリアやケニアなんかでは「アフリカのシリコンバレー」なんて呼ばれる地域も出てきています。
アフリカの宗教分布はめちゃくちゃ多様です。北アフリカではイスラム教が主流で、サブサハラ(サハラ以南)ではキリスト教が多く見られます。でも、それだけじゃなくて伝統的な土着信仰も今なお深く根づいていて、自然崇拝や先祖の霊を大事にする文化も広く見られます。宗教はただの信仰にとどまらず、祭りや日常生活にもがっつり影響してるんですよ。
言語の多様性はアフリカの大きな特徴のひとつ。なんと話されている言語は2000以上あると言われていて、ひとつの国に複数の公用語があることも珍しくありません。ケニアではスワヒリ語と英語、カメルーンでは英語とフランス語が公用語になってるんですが、それとは別に地域ごとの民族語も普通に話されてるんです。まさに「言葉のるつぼ」ですね。
ナイジェリア北部の伝統的な衣装を身にまとい、踊る男性たち。地域の文化や儀式における舞踊の重要性を示している
出典:Photo by Goge Africa / CC BY-SA 4.0より
アフリカの文化って、ほんとにカラフルでエネルギッシュなんです。美術や音楽はもちろん、食事の味や建物のデザインにも、その土地ならではの工夫や歴史がギュッと詰まっています。スポーツも大人気で、地域ごとにいろんな楽しみ方があるんですよ。
アフリカ美術って、ヨーロッパの芸術家たちにもめちゃくちゃ影響を与えてきたんです。例えばピカソはアフリカの仮面や彫刻からインスピレーションを受けてキュビズムを生み出しました。木彫りの仮面、布の模様、ビーズの装飾……そのどれもがシンプルでありながら、深い意味や物語を持っています。最近は現代アートでもアフリカ出身の作家たちが注目されてますよ。
アフリカといえばサッカー!ってイメージ、ありますよね。実際にサッカーは超人気で、ワールドカップでもアフリカの国々はいつも注目されてます。それに陸上競技も強くて、特にケニアやエチオピアの長距離ランナーたちは世界トップレベル。スポーツは若者たちにとって夢やチャンスの象徴でもあるんです。
アフリカの食文化は地域ごとにすごく違います。西アフリカではピーナッツを使ったシチュー(マフェ)が人気だったり、東アフリカではとうもろこし粉で作るウガリが主食だったり。北アフリカはクスクスやタジンといったアラブ文化の影響が強いし、南アフリカではバーベキュー(ブライ)が盛んです。スパイスもよく使うので、香り豊かな料理が多いんですよ。
自然素材を活かした建築が多いのもアフリカの魅力。たとえばマリのジェンネにある「泥のモスク」は世界遺産にもなっている有名な建築です。石や木、草を使ってその土地の気候に合った家を作る知恵が詰まっていて、まさに「暮らしのデザイン」が建築に現れてる感じです。都市部では近代的な高層ビルも増えていて、伝統と現代が同居してるんです。
NASAが撮影したサハラ砂漠の衛星写真。アフリカ大陸北部に広がる世界最大の砂漠の広大な地形を宇宙から捉えたもの
出典:Public domain via Wikimedia Commonsより
アフリカの地理って、とにかくスケールが大きくてびっくりしちゃうんです。広い砂漠や深い森、高い山から大きな川まで、いろんな風景がぎゅっとつまってるんですよ。気候も場所によって全然ちがって、動物や植物の暮らし方もさまざまです。
アフリカは世界で2番目に大きい大陸。砂漠、サバンナ、熱帯雨林、山岳地帯といった多様な地形が広がってます。北部には有名なサハラ砂漠がどーんと広がっていて、その南には緑豊かなサヘル地帯があります。エチオピア高原やコンゴ盆地、ナイル川の流域なども地理的にとても重要な場所です。
赤道をまたぐ大陸なので、赤道付近は年間を通して高温多湿。その一方で北と南は乾燥した砂漠気候や温帯気候になっていて、ほんとにバラエティ豊かです。雨季と乾季がはっきりしている地域も多くて、季節によって生活のリズムが大きく変わります。
自然がとにかく豊か!サバンナにはライオン、ゾウ、キリン、ヒョウといった「ビッグファイブ」が暮らしていて、まるで動物図鑑の中に入ったみたいな世界です。アフリカには独自の生態系を持った場所も多くて、世界自然遺産もたくさん。自然との共生が、今も大切にされてる場所なんです。
アフリカは「ひとつの国」ではなく、54もの多様な国々が集まった超巨大な世界なんです。歴史も社会も文化も地理も、どれをとっても一筋縄ではいかない面白さがある。だからこそ、知れば知るほど新しい発見があるんです。